2020.01.17 00:18自己啓発 日本でも自己啓発本が人気ですが、特にアメリカの人は自分を変えることに熱心な人が多いような気がします。日本では努力、積み重ねと言うような考えか多いような気がしますが、アメリカではひらめきというか、なにか斬新な方法を試すという感じではないでしょうか。 Hさんもその一人で、日本語学習に関しても常によりよい方法を模索し、試していました。最初のレッスンでHさんは、私に自分が日課としている勉強法について話してくれました。内容ははっきりと覚えていませんが、たしかフラッシュカードで語彙を覚えたり、外国人向けにかかれた日本語のニュース記事をひとつ読むとかか何かだったと思います。それと一緒に、日本語の短いビデオをみ、私とのSkype通した会話のレッスンで会話力をのばすと...
2020.01.17 00:14悩みは距離感Jさんは韓国の大学生。就活中で、日本の会社での就職を希望していました。私とレッスンを始めた時にはすでに日本語は上級レベルで、直すところはほとんど皆無でした。ネイティブのように崩して話すことがないので、むしろ日本の学生よりも丁寧できれいな日本語といってもいいくらいでした。ですから、当初の目標の面接のための日本語は難なくクリアしたのですが、Jさんにはまだちょっとした悩みがありました。「あの~、日本人の友達に、いつまでも距離感を感じると言われます。どうしたらいいですか。」 距離感を感じる・・つまり友達なのによそよそしい、いつまでも仲良くなれない感じがするということです。なぜそう日本人が感じたのかというと、それはJさんの丁寧すぎる日本語のせいでし...
2020.01.16 12:38papa bear Bさんは自分のことをよく「Papa Bear」と呼んでいました。その名の通り、Bさんは大きい体に、いつも微笑んでいる細い目で、包容力たっぷりの雰囲気がありました。父親と言うのにはちょっと若かったかもしれませんが、私のことを先生というよりは、まるでおもしろい娘の話を聞く父親のような感じで接してくれました。 Mさんの家には毎週2回レッスンに訪れていました。一人暮らしとは思えない広さのダイニングキッチンは、テキストブックの字が読めるくらいの明るさの照明で、まるでバーのようなおしゃれな雰囲気がただよっていました。Mさんは私の斜め横にすわり、私の顔をやさしく覗き込むように話し始めました。「君の前にきた日本語の先生はひどかった。すぐに使えるフレーズを勉強したいの...
2020.01.15 10:13魔女は陸軍兵Zさんとは私がまだフリーの日本語教師として働き始めたばかりのころ、カナダに住んでいる友達を通して知り合いました。日本の朝9時、カナダでは夕方5時くらいでZさんの仕事が終わった後のビデオレッスンでした。 ビデオ越しに上半身しか見ることができませんでしたが、Zさんは小柄な感じのかわいらしい女の子でした。彼女の家族はフィリピンからの移民ということで、肌は健康的なココア色で、目は好奇心いっぱいの小鹿のようにきらきらしていました。小柄ながらもカナダの陸軍に勤務し、週末にはよく仲間とラフティングやバーベキューを楽しむアウトドア派で、動物を愛するベジタリアン。 そしてストレートのつやつやの髪は寄付をするために一年に一度しかカットせずいつもゴムですっきりとまとめ、仕事...
2020.01.14 11:50とびきりおいしいエスプレッソと苦い名古屋人 イタリア人のBさんは、いつもとびきりおいしいエスプレッソを淹れてくれました。そのエスプレッソが楽しみで、自転車と地下鉄、合計約1時間の道のりもさほど苦にならずに、毎週Bさん宅を日本語のレッスンのため訪れていました。 Bさんには日本人の奥さんがいるのですが、二人の会話は英語だったので、日本にいても日本語がなかなか上達せず仕事探しが困難でした。それで、昼間奥さんが働いている間、Bさんは主夫として家事をしながら私の日本語のレッスンを受けるようになりました。 Bさんは名古屋の繁華街近くの1DKのマンションに住んでいました。水色の鉄のドアのチャイムを鳴らすと、Bさんが笑顔で「コンニチハ!どうぞ」と迎え入れてくれます。小さいながらもきちんと整頓されたキッチン、...
2020.01.14 07:18Midlife crisis 中年の危機感 Nさんはアメリカ大手IT企業のマネージャーで、サンフランシスコの高級マンションに住んでいましす。収入もさることながら、顔も俳優みたいにイケメンで均整のとれた体がスカイプのビデオ越しでもわかりました。さらにNさんは多趣味で、料理、ピアノ、サッカー、ガーデニング、ドッグトレーニングと、いかにもおしゃれでいけてる男性雑誌・・エクスファイアとか?に出てきそうなライフスタイルです。言語もその趣味の一つで、毎週日曜日の夜レッスンにフランス語の後に私たちのレッスンがありました。 ビデオ越しの部屋は一人暮らしとは思えない広く、すっきりとすべての物がモノトーンで整理されていて、モノクロフィルムを見ているようなそんな錯覚さえ起こすほど色のない部屋でした。その中でいつも黒...
2020.01.13 10:36他の人になりたい S君はとても熱心な生徒で、レッスンの時には自分が好きな日本のテレビ番組の聞き取りれなかったところをを確かめ、それをそっくりそのまま覚えていました。まるでオウムのようにそっくりそのままコピーするのです。発音、イントネーションも、完璧です。目をつぶって聞いていれば、本当に日本人のようでした。 ただ、困ったことに彼がまねをするのはテレビの司会者や、ラジオのホストだったので、生徒である彼が「さあ、次の話題にいってみましょう!」とレッスンの進行を仕切ってしまうのです。また彼の大好きなバラエティー番組では、よく芸人さんたちが「はあ!?」と大袈裟に驚いてみせたり小ばかにして笑いをとることがあるので、そんな言い方さえも真似してしまい、普段の会話ではそれが不...
2019.12.30 07:49見えない、聞こえないレッスン 今までのレッスンで一番印象に残ったのは、F君(仮称)とのレッスンでした。なぜ印象に残ったかと言うと、語学のレッスンにも関わらず、レッスンではほとんど沈黙だったからです。話せないから沈黙だったのではなく、日によって話したくない日があるようでした。 レッスンはスカイプを通してでしたが、F君がビデオをオンにするのはまれで、ほとんどは音声だけでした。前述したように話したくない日には「こんにちは」と話しかけても何も返事が返ってこず、なにも見えない、聞こえない状態の相手に向かって私は一人で話しかけました。そしてぽつりぽつりと返事が返ってくることもあれば、何もなく最後の10分だけ教科書を読むこともありました。そうかと思えば、レッスンの初めから大きな声で支離滅裂に話...